二種類の女性ホルモン(プロゲステロンとエストロゲン)の作用によって、望まぬ妊娠を防ぐ避妊薬です。飲み忘れなく毎日規則正しく服用することで、避妊効果は99%以上とされています。
女性主体で避妊ができるので、自分の体を自分で守ることができます。避妊に関する作用としては、女性ホルモンの分泌を抑制することで排卵を抑える作用、子宮内膜を厚くさせないことにより、受精卵の子宮内膜への着床を難しくする作用、子宮頚管粘液を減少させることにより、精子の子宮内への進入防ぐ作用があります。
また、避妊のほかに生理痛の軽減、生理量の減少、生理周期の安定、PMSの改善、にきびや肌荒れの改善、婦人科の病気リスクの低下の効果もあり、それを目的とした服用も増えています。
料金
- ピル1シート2,500円(税込2,750円)
(マーベロンのみ2,700円(税込2,970円))
※初診料・再診料・指導料はいただいておりません。
※1シートから各種クレジットカードのご利用が可能です。
ピルの種類
「28錠タイプ」と「21錠タイプ」の2種類があります。
生理の開始日より毎日決めた時間に1錠ずつ服用。28日間服用しピルがなくなったら、途切れず次の新しいシートを開始します。最後の7錠は、薬の成分が入ってない(プラセボ)錠剤で、通常その間に生理がきます。ピルを服用しない日がないため飲み忘れが少なく、当院では28錠タイプをおすすめしています。
生理の開始日より毎日決めた時間に1錠ずつ服用。21日間服用し、7日間休薬期間の後、新しいシートの1日目より開始。通常、休薬期間に生理があります。
取り扱いピル
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アンジュ
日本で一番多く使用されているタイプのピルです。月経周期が安定しやすく、不正出血が少ないのが特徴です。
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ファボワール
男性ホルモンを抑える黄体ホルモンのデソゲストレルが配合されており、ニキビや多毛症の改善に効果があるとされております。ニキビは、飲みはじめて効果がでるまで3か月くらいはかかります。PMSの軽減にもより効果があります。不正出血はやや多めですが、吐き気の副作用は少なめの傾向があります。
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ラベルフィーユ
日本で一番多く使用されているタイプのピルです。アンジュと全く同じホルモン成分・量のピル。月経周期が安定しやすく、不正出血が少ないのが特徴です。
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シンフェーズ
サンデースタートピル(日曜日から飲み始めることにより、生理が月曜日ごろに始まり、金曜日ごろにほぼ終わるため、週末に生理が重ならない)。アンジュよりさらに不正出血が少ない。
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マーベロン
ファボワールの先発医薬品
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プラノバール
中容量ピル。ホルモン量が多く避妊効果は高いが吐き気などの副作用はでやすい。不正出血はほぼない。
避妊以外の効果
- 生理痛が軽くなる
- 生理の量が減る(貧血が良くなる)
- 生理の周期が安定する
- 生理の前のイライラ等、月経前症候群(PMS)の症状の改善
- 肌荒れが改善し肌がきれいになる、ニキビが良くなる
- 子宮内膜症の予防になる
副作用
飲み始めに20%前後の方が軽い吐き気、不正出血の出現、頭痛、胸の張りなどありますが、1~2か月飲み続けていくうちに治まってきます。
ピル服用で起こる可能性のある重大な副作用として血栓症があります。血管の中で血液の固まりができて詰まり、血液が流れなくなることをいいます(肺塞栓症、脳卒中、心筋梗塞の原因となります)。 ピルを飲んでいない人と比べるとリスクは2、3倍になりますが、妊娠中のリスク(6倍)に比べると安全です。ただタバコを1日1箱吸う方はリスクが5倍になるため、当院では減煙・禁煙をお勧めしております。
- 服用者携帯カード
血栓症による重い症状が発生したときは、急ぎで救急外来のある総合病院の受診が必要になります。その時提示すると、診断治療の助けとなるカードを配布しております。
- 35歳以上で1日15本以上タバコを吸う方
- 前兆のある偏頭痛がある方(目の前がチカチカする、光が見える、視野が欠ける、手がしびれる等)
- 血圧が高い方
処方の流れ
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1.問診表の記入
ピルを飲むリスクが高い方かどうかチェックをします。
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2.血圧・体重の測定
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3.服用方法の説明
スタッフより服用方法について説明します。
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4.医師との面談
ピルを飲むにあたっての注意事項、起こり得る副作用について説明します。わからないことがあれば気軽にご質問ください。
内診(婦人科診察)はありません。血液検査は必須ではなく、希望者のみ行います。 -
5.処方・お会計
院内処方にてお会計時にピルをお渡しします。お支払いには各種クレジットカードをご利用になれます。
受付でピルをお渡しいたします。スタッフがピル服用中お変わりないかどうか確認します。
決まった間隔(定期検診)で血圧測定、体重測定、医師の問診を行います。最初の3か月は副作用が起こりやすいため、基本的に1か月ごとにチェックします。
一定期間異常がない方は、一度につき最大6シートまで処方が可能です。
保険適応のピル
病気の治療が目的とされる場合に限り保険が適応されます。適応される病名は「月経困難症」です。
月経困難症とは生理に伴って起こる心身の不調の症状で、下腹痛・腰痛・頭痛・出血が多い・吐き気・倦怠感などの症状です。
避妊目的で使用した場合の有効性・安全性は検証されていません。そのため、保険適用のピルを避妊目的で使用することはできません。
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フリウェルULD(超低用量)
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フリウェルLD(低用量)
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ULDは構成成分のエストロゲンによる副作用(吐き気、頭痛、血栓症等)をさらに抑える ために開発されました。まずはULDのタイプから処方が多いですが、エストロゲンが少ない分、 不正出血が起きやすいのでLDに変更されることもあります。
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ドロエチ
超低用量ピル。PMSにより効果あります。
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ヤーズフレックス
ドロエチと同じ成分で、休薬期間なしで最大120日間連続で内服可能です。生理の回数が減るため、生理の時の不快な症状の回数は減ります。費用は高め。
よくあるご質問
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ピルはいつから飲みはじめるの?
生理1日目から飲み始めることが望ましいですが、生理かわからない場合もあり、確実に生理になってからすぐ飲むとよいでしょう。5日目までに開始した場合には追加の避妊法は必要でないとされております。
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2シート目を飲むタイミングは?
28錠タイプの場合は28錠目を飲み終わった翌日から2シート目に移り、21錠タイプの場合は21錠目を飲み終わって7日間の休薬期間が終わったら2シート目に移ります。
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ピルを飲む時間は?
毎日同じ時間に飲めるならいつでもかまいません。夕食後、寝る前だと気持ち悪くなりにくいことが多いです。