不妊治療

第1ステップ不妊検査、タイミング指導

第1ステップでは、まず不妊検査を行い不妊になっている原因について調べます。また、妊娠の確率を高めるために性交タイミングの指導をしていきます。

不妊検査

不妊検査

妊娠しにくくしている原因を検査ではっきりさせることが治療の第一歩です。スクリーニングとしてまず3つの大きな原因から調べます。

  • 排卵しているかどうか (基礎体温・ホルモン検査・超音波検査)
  • 卵管が通っているかどうか(卵管通過性の検査)
  • 精子の数・運動率はよいか(精液検査)

こういった検査により判明した原因に対する治療をしていきますが、複数の原因が重なっていることも珍しくありません。また原因がないからといって妊娠できるというものではなく、さらなる検査・治療が必要なことがありますし、体外受精して初めてわかる原因(受精障害等)もあります。

不妊の原因

不妊症の原因は下記のようなものがあります。男女の割合は女性40%、男性30%、原因不明30%くらいです。男女ともに原因があることもあります。

女性側の原因
  • 卵巣から卵が出にくい(排卵因子)
  • 卵管を卵が通過しにくい(卵管因子)
  • 卵が子宮内膜に着床しにくい(着床因子)
  • 精子が子宮内に入りにくい(頚管因子)
男性側の原因
  • 精子がない、少ない
  • 精子の動きが悪い
  • 性交障害(インポテンツ)

検査項目

月経の周期に合わせ、適切な時期に各検査を行います。

低温期(卵胞期)
  • ホルモン検査(LH・FSH・プロラクチン・E2)

    時期:月経2~5日目
    因子:排卵因子

  • 卵管疎通性検査(SHG)

    時期:月経終了後~排卵前
    因子:卵管因子

排卵期
  • 超音波検査

    目的:排卵のタイミングを見る
    時期:排卵2~3日前
    因子:排卵因子、着床因子

  • フーナーテスト(場合により)

    目的:精子と頚管粘液との適合性を見る
    時期:排卵2~3日前
    因子:頚管因子

高温期(黄体期)
  • ホルモン検査(プロゲステロン)

    目的:黄体機能をみる
    時期:高温5~7日目
    因子:着床因子

常時
  • クラミジア検査

    因子:卵管因子

  • 甲状腺機能検査(場合により)

    因子:排卵因子

  • 基礎体温計測

    因子:排卵因子、着床因子

  • 精液検査(排卵時期を除く)

    因子:男性因子

タイミング指導

タイミング指導

精子の寿命は射精後3〜7日間ありますが、卵子の寿命は排卵後半日から1日といわれています。そのためタイミングを合わせることが必要になります。ぴったりが一番よいのですが、排卵後では遅いことが多いので、遅いよりは少し早めくらいのタイミングがよいと思われます。

タイミングを測る方法

基礎体温表

月経周期が規則的な方はまずこの方法がよいでしょう。毎月排卵日が決まっている方は、体温がいったん下がったところから上昇する途中が一番排卵の確率が高いので、その時期かその少し前に性交をおこないます。

基礎体温表と排卵日

排卵の確率はAが60~70%、Bが20~30%、Cが10%です。

超音波検査での卵胞計測

自然排卵の場合、卵胞の直径が20ミリ近くなると排卵するので、超音波検査で排卵日を予測します。

尿中LHテスト

排卵前には黄体化ホルモン(LH)が急速に分泌されます。これをLHサージと呼び、LHサージの開始より36〜42時間後、ピークの半日後には排卵します。1日1回朝尿にて検査キットでLHを検出し、赤いスポットが出たらその夜性交をします。しかしはっきりした反応が出ない方もいます。

尿中LHテスト

※スポットの濃さは個人差がありますので、毎日の判定結果を比較し、最も濃いスポットをLHサージと判定してください。
※LHサージから排卵までの時間は個人差がありますのでご注意ください。